忘れられない一冊、伝えたい一冊 第31回
◎「巨匠に学ぶ構図の基本—名画はなぜ名画なのか?」(内田広由紀著 視覚デザイン研究所) 山田宏平 「巨匠に学ぶ構図の基本」表紙 演じるときも、演技を指導するときも、誰かの上演を観るときも、いつも関係性について考えながら演劇に接している気がする。演劇は、時間や事件を経て変わりゆく関係性と、その中で変わってゆく人々の状態を味わうものだと、個人的に思っているからだと思う。...
View Article忘れられない一冊、伝えたい一冊 第35回
◎「フルトヴェングラー 音楽ノート」 (白水社 芦津丈夫訳) 山本卓卓 「音楽ノート」表紙 正直、5年くらい前の僕にとってクラシック音楽は鬱陶しいだけでした。 芝居の音選びのためにTSUTAYAで借りてきたりして「クラシック100選」的なものとかを…...
View ArticleARICA「しあわせな日々」
◎翻訳劇を翻訳の劇として明示する 柳沢望 ベケットの「しあわせな日々」は、「ゴドーを待ちながら」のように二幕の戯曲である。一幕がはじまると、奇妙にも腰まで地面に埋まった中年女性のモノローグが続き、ニ幕がはじまると女は首まで地面に埋まっていて、歌で終わる。ベケット自身が英語で執筆し、フランス語に翻訳した。フランス語で書いて英語に翻訳したゴドーと、あらゆる点で好対照をなしている。...
View Article座・高円寺 劇場創造アカデミー4期生修了上演「戦争戯曲集・三部作」
◎「劇作」と「文体」と、創作に必要な在り得べき「姿勢」の在り方の問題について 矢野靖人 3月1日(土)、座・高円寺劇場創造アカデミー4期生修了上演、エドワード・ボンド作「戦争戯曲・三部作」通し上演を観劇。 私たちshelfの前回公演「nora(s)」(2013年10月初演、第20回 BeSeTo演劇祭...
View Article身体の景色「戦場のピクニック」「Lady Macbeth」
◎表現の深さについて、あるいは新しさはどこから生まれるのかということ。 矢野靖人 5月18日(日)、身体の景色の主宰である俳優・演出家の岡野暢さんから依頼を受けて、身体の景色のポスト・パフォーマンス・トークにゲスト出演するために、日暮里はd-倉庫に観劇に出かけた。...
View ArticleKYOTO EXPERIMENT2013「使えるプログラム」
◎「劇は使える」という限定解除 ―『2013使えるプログラム記録集』から 柳沢望 【表紙写真=©Satoshi Nishizawa 提供=使えるプログラム】 国内でフェスティバル/トーキョーに次ぐ規模とも言われている京都国際舞台芸術祭(KYOTO EXPERIMENT)だが、そのフリンジ企画として、昨年に引き続き、「使えるプログラム」が今年も実施される(注1)。...
View Article三野新「Prepared for FILM」
◎Prepared for FILM 山崎健太 はじめに 三野新構成・演出によるパフォーマンス作品『Prepared for FILM』はサミュエル・ベケット唯一の映画作品『フィルム』の翻案であり、同時にタイトルが示す通り、これからベケットの台本に基づいて『フィルム』を撮影する者たちのために「準備されたprepared」ものとして構想されている。ゆえに、『Prepared for...
View Article地点『光のない。』
◎直示の倫理について よこたたかお 本論考では、三浦基演出のイェリネク『光のない。』を扱う。本作品で用いられた演技術に焦点を当て、劇場倫理・表現の倫理について考察していく。分析の細かいところは、上演の回ごと・観客の視点ごとに違っていても不思議ではない。ご理解いただければ幸いである。...
View Article薪伝実験劇団『ゴースト 2.0-イプセン「幽霊」より』
◎イプセン戯曲の限界と、その可能性について矢野靖人 2014年11月24日(月)、フェスティバル/トーキョー14のプログラムの一つ、薪伝実験劇団(中国)の『ゴースト...
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